2024/11/21 第33回 全国救急隊員シンポジウム(秋田市)

EMSニュース No.35

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アメリカの止血キャンペーン
ホワイトハウスが主導で「バイスタンダー止血」の啓蒙に乗り出した

アメリカ連邦政府当局は、ホワイトハウスでのイベントを通して、「止血キャンペーン」を開始した。これは緊急時のバイスタンダーに致死的出血の止血のための技術とツールを提供するものである。この止血キャンペーン“STOP THE BLEED”は民間企業やNPOが協同し、EMS関係者と戦場で得た軍事医療技術を市民生活の「命を救う」に役立てるものである。

街に山に海に、自然災害から犯罪に至るまで、制御不能な出血を伴う脅威は、あらゆる事故・事件から発生する可能性がある。出血が多量になると、トレーニングを積んだEMS隊員の到着前に、外傷負傷者は失血死に至る危険性がある。止血の基本的なツールと方法を知っていれば、バイスタンダーは致死的な失血から負傷者の生命を守ることができる。各種の研究は、今まで医療訓練をほとんど受けていないもしくは全く受けていないバイスタンダーが、勇猛果敢なライフセーバーになることが可能であるとしている。
心肺蘇生法CPRや自動除細動器AEDと同様に、バイスタンダーが大量出血を止める方法を学び公共の止血キットへのアクセスが行われるかどうかで、外傷出血負傷者の生死に差が出てくるだろう。

国は、政府機関、民間企業、非営利団体そしてすべてのレベルの市民に相応の責任分担を求める。
「止血キャンペーン」のゴールは、致死的な出血を止めるシンプルな手順を一般市民に知ってもらい、国家の危機への対応力を強化することである。今回のイベントには認識を高めるために多数の民間企業グループや非営利団体の参加が含まれ、この取り組みを促進している。
家庭にあっても学校でも旅行中であろうと、どこにいようとも、
公共の場で一般市民が簡単に、止血キットへアクセスできるようにすることである。

このキャンペーンの目指すところを要約すれば:-
・「STOP THE BLEED=止血しろ」スローガンとマークを知ってもらう。
・一般市民に止血法トレーニングを行う。
・止血コントロールキットを準備する。(見て聴いてすぐにわかる止血手順書も備え付ける。)

この「止血キャンペーン」”STOP THE BLEED”は長期間をかけて官民協同で造り上げられ、実際に止血トレーニングへ取り組む沢山のEMS関係者が参加している。止血キャンペーンは負傷者の救急施設への搬送前の救助のシンプルなアクションについて述べるだけでなく、あらゆる規模の災害時に備えて全ての安全管理者、ガードマン、コーチ、アスレティックトレーナー、看護師、教師などすべてのバイスタンダーにトレーニングを実施している。AED設置場所に、止血キットといっしょに「STOP THE BLEED」のロゴ、基礎的な止血手順書、画像やイラストにより見てすぐにわかる止血手当カードの併設を勧めている。

止血フォーラムは、次のように結論づけた。
:「我々は心肺蘇生法CPRや自動除細動器AEDを指導している。そして、しばしば現場で救命救急や医療の専門家は、一般市民が救助を躊躇するような振る舞いに気付いている。我々は、救命救急の原点に戻り、一般市民の止血救助に勇気を与えなければならない。 パブリックの力をもう一度強化しよう」

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